2025年3月末、国際教養大学(AIU)と最寄りの和田駅を結ぶバス路線が廃止されることが発表されました。この決定の背景には、深刻化するバス運転手不足があるとされています。今回は、地域にとって重要なこのバス路線の廃止が、学生生活や地域の交通に与える影響について考えてみたいと思います。
和田線廃止の背景
国際教養大学を発着するバスには、和田駅前を目指す「和田線」と、イオンモール秋田に向かう「御所野線」の2つの路線があり、いずれも秋田中央交通が運行しています。これらのバス路線は、特にAIUの学生にとって、キャンパスと周辺地域との重要な移動手段です。運賃は200円で、大学が赤字を補填しているにも関わらず、運転手の不足が解消されず、和田線は廃止の方向に進んでいます。
秋田中央交通によると、バス運転手は5年前と比べて2割ほど減少しており、特に利用が少ない路線の維持が難しくなっているとのことです。廃止後は、御所野線の一部便が四ツ小屋駅前に変更されますが、全便の変更は現時点では予定されていません。
学生生活への影響
AIUの学生にとって、バスは生活の生命線と言える存在です。大学は市中心部から離れた立地にあり、学生の約9割がキャンパス内で生活しています。しかし、学生の自家用車の保有率はわずか2割程度で、カーシェアリングのサービスも台数が限られているため、バスの廃止は大きな不便を引き起こすことになります。
特に、和田駅からJR奥羽線を利用して秋田市内へ向かう学生にとっては、和田線がなくなることで、イオンモール秋田での乗り換えを強いられ、さらに高い運賃が発生するため、経済的にも大きな負担となります。また、和田駅周辺に住む教職員にも影響が出ることが予想されます。
地域貢献への影響
AIUの学生は地域活動にも積極的に関わっており、移動手段が減ることが地域貢献や交流活動にも悪影響を与える可能性があります。バス路線の廃止は、学生と地域社会のつながりを弱め、地域内での活動の活性化を妨げる恐れがあります。
大学側は学生の声を重視し、代替の移動手段を確保する方策を検討していますが、現時点では具体的な対策は明確にされていません。このような問題は、AIUだけでなく、秋田市や他の地方都市でも同様の課題を抱えていることを考慮する必要があります。
廃線問題を地域全体に広げて
バスの廃線は、秋田市だけでなく、他の地域にも広がる可能性があります。運転手不足や経営難が続く中、地域交通の維持が困難になるケースは増えており、特に過疎化が進む地域では深刻な問題となっています。今後、地方自治体や企業は、地域交通の再編や新しい交通手段の導入に向けて、より積極的に取り組んでいかなければなりません。
おわりに
国際教養大学と和田駅を結ぶバス路線の廃止は、単なる交通手段の問題にとどまらず、地域の生活や学生の活動にも大きな影響を与える問題です。この問題を通じて、地域全体で交通インフラの重要性を再認識し、持続可能な移動手段の確保に向けた議論がさらに広がることが求められています。
(参照:秋田魁新報 2023年12月21日掲載)
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